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ウフフな、横浜中華街。
カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪
2017/04/14
選りすぐりを食べ比べ、杏仁豆腐列伝!
日本では中華スイーツのド定番、杏仁豆腐。清朝では宮廷料理として出されていたとか、自転車にザルを乗せてすくって売っていた時代もあったとか。はたまた現代、知人の20代中国人女性は「日本で初めて知った。毎回、デザートに出されてビックリ」なんてコメントも。広大な中国では、地域によっては珍味になることもあるようです。何はともあれ、ここ横浜中華街は杏仁豆腐天国。評判の一品から創作杏仁スイーツまで、選りすぐり11品を食べ比べしました。
やっぱり最初は“お気に入り杏仁”からご紹介
オーナーご夫妻と息子さん、オーナーの妹さんの4人で切り盛りする家庭的な広東料理店。随分前に「ココ美味しそう」とピンときてフラリ立ち寄り、「正解!」と思ったことが。優しい味わいの料理と同様に、杏仁豆腐もサッパリ爽やかでした♪
ルビー色ゼリーと共演、“華やか杏仁豆腐”
“状元”とは、古代中国の国家試験・科挙に、首席合格した人のみに贈られる称号。それを屋号に掲げ、上海料理の至高をめざして1955年に創業しました。三代続くオーナーが女性という、華やかな雰囲気の老舗です。
試行錯誤した“職人の杏仁豆腐”
こちらも杏仁豆腐高評価のお店で、ネットを見て来店する人も多いんです。実はその背景には、料理人である代表の職人魂が…! あるお客さんが「料理は美味しいのに、杏仁豆腐は市販品?」という書き込みをし、代表はビックリ! 「県内の本店で人気の、昔ながらの杏仁豆腐を手作りして出していたんですよ。地域によってお客様の好みは違うのかも…と、試行錯誤を始めました」。こうして誕生したのが『あんにん豆腐』400円(税別)。
ふわっと春の香り、“季節限定の杏仁豆腐”
四川料理の雄、重慶飯店。レストランは横浜中華街に本館、別館、新館と3店舗展開し、それぞれにファンがいるのが特徴。先日は、老朽化した建物を改築する本館に、昔からの雰囲気を名残惜しく感じた常連さんがやってきました。実は季節のメニューも、各店舗でオリジナルを用意しているんです。別館で話題なのは、季節の杏仁豆腐。
常温保存が新発売、“お持ち帰り杏仁豆腐”
重慶飯店の味をお持ち帰りできる、お土産ショップ。最近、発売されて人気を集めているのが常温保存できる『杏仁豆腐』367円(税込)。
1日3000個売れる“杏仁ソフトクリーム”
中国四大料理が味わえる、創業55年の老舗。オーナーの本物志向へのこだわりが際立ち、食べ放題もオーダー式バイキングで出来たて料理を提供。休日は予約必須の大人気です。オリジナル商品もバラエティ豊かに販売。中でも『杏仁ソフトクリーム』350円(税込)は、最高で日に3000個も売れたという大ヒットスイーツ。
大アリでした、“和風の杏仁豆腐”
関帝廟通りに面する横浜バザールは、アンティークショップ、ブックカフェ、キャンドル工房など小さなお店がひしめく集合施設。その路面店として、3年ほど前にオープンしました。
薬になると杏仁はキョウニンと読む
杏仁の世界をもっと知りたくて訪れたのは、横浜中華街のメインストリート“中華街大通り”にお店を構える漢方薬局。薬剤師の原見先生にお話を伺いました。
「そもそも杏仁とは、アンズの実の中にある仁(にん/種子から種皮を取り去った内部にあるしん)のこと。食品は杏仁と書いて“アンニン”と言いますが、生薬では“キョウニン”と読みます」と原見先生。
下の袋に入っている、アーモンドをくだいたようなものが、生薬の杏仁。上はすりつぶしたもので、苦みが強く、咳止め薬には必ずといって言いほど入っているそう。右手にある代表的な咳止め薬「麻杏甘石湯」にも杏仁は含まれています。
「杏仁には鎮咳に効果を発揮する有効成分、シアン化合物のアミグダリンが含まれているのです」
えっ、シアン化合物のアミグダリンって…毒性では!?
杏仁豆腐は芳醇で甘いスイーツだけど…大丈夫ですか?
「はい、大丈夫です。例えば杏仁をいっぺんに300粒ほど食べると中毒を起こす可能性もありますが、咳薬や食用に使う分には問題ありません。また生薬の杏仁と、スイーツで使われる杏仁は異なります。スイーツで使われるものは甘みがあり、それを加工した杏仁霜(あんにんそう)を使っていることが多く、こちらには薬効は期待できません」。
ホッ、なるほど。同じ杏仁でも、スイーツになったり、薬になったり。植物の奥深さまで感じる杏仁ツアーとなりました。
千谷'sメモ
食べ比べてこそ、お気に入りに出会えます♪
当コラムのライターさん
ライター千谷文子
ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!
横浜中華街Check Memo
バオバブの木を販売!
3年もので3800円
ニューオープンした「バオバブリゾート」は5F建ての建物。1F、2FはChai Tea Cafe、3F、4Fはアジアンハーブスというスパ、そして最上階にバオバブの植木鉢がズラリ並んだフリースペース。バオバブといえば、6000年も生きるという神秘の巨木。そのユニークな形に魅了されますが、なんと鉢植えを購入できるんです! 3年もので3800円、10年もので1万4000円。ぜひ立ち寄ってみて。
- 発見日2017/04/07
- 場所バオバブリゾート