横浜中華街

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ウフフな、横浜中華街。

ウフフな、横浜中華街。

カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪

第28回

2017/05/15

路地裏・小径のお店

横浜中華街は迷ってしまう人が多いけれど、それは周囲の大通りに対して斜めに配置されているエリアだから。少し混乱を招いてしまうようです。賑やかなお店がひしめくせいもあるでしょう。でも地図を片手に1周すれば、全体を把握するのは意外に簡単。さらに一歩踏み込んで、路地裏・小径を攻めてみて。ご紹介するのは「ココ入っていいの…?」のレアスポット3店です。

1
中華食品

ちまき屋(ちまきや)

目指すは”ゆでる、ちまき”

足しげく中華街に通っているワタシも、「本日分終了いたしました」の案内を前に何度肩を落としたことか。狙いは開店11時。すでに行列ができていることも多く、1時間もすれば売り切れに。みんなのお目当ては、台湾南部ならではの、“ゆでる、ちまき”です。早速、道案内しましょう。

みなとみらい線の元町・中華街駅2番出口を上がったら、朝陽門へ。門を抜けて中華街大通りを真っ直ぐ進むと、右手に寄り道必須の和雑貨「倭物やカヤ」、さらに左手奥に「白楽天」の黄色い看板。そこを左に曲がって上海路へ。
上海路は比較的広めの通りだけれど、人通りはさほど多くはありません。しばし歩いて左手にある古民家イタリアン「TRES」のレトロなたたずまい(『第26回 ぜんぶ絶品! 世界各国のレストラン』でも登場)を左へターン!
「お店があるの?」と疑わしき路地をグングン進むと……いました、いました。小窓からちまきを販売している、小林店長が出迎えてくれました♪
ちまきといえば蒸して調理するのが一般的だけど、ゆでるのが大きな特徴。醤油味の餅米の中から豚角煮、椎茸、干しエビ、塩ゆでピーナッツがゴロゴロ宝物のように現れて、めっちゃめちゃ美味しいのです! ゆでるからこそ得られる「キュウキュウ」の食感。この「キュウキュウ」とは台湾の人たちが使う擬音語で、ほどよい歯ごたえと弾力があることを指すそうですよ。

発祥は、20年ほど前に閉店した「真澄」という台湾家庭料理の小さなお店。台湾出身の小林店長のお母さんが切り盛りし、ちまきも看板商品の一つでした。今では台湾でもちまきを手作りするところが減ってしまったことから、サラリーマンだった小林店長が一念発起。お母さん直伝のちまきを販売すると、アッという間にウワサになり、今やネットでも2週間待ちという人気ぶり。午前中に横浜中華街にいたら立ち寄り必須です。

★現在、店頭販売は火曜から金曜のみ。週末は予約販売。5月24日(水)~5月30日(火)は百貨店の催事出店のため、店頭販売は休止。
2
中華料理

杜記(とき)

貴重な山西省発祥の刀削麺専門店

中華街では珍しく、“麺食のふるさと”ともいわれる山西省発祥の刀削麺を、全15種類も提供。早速、お店を目指しましょう!

中華街大通りから行くなら、目印は「崎陽軒」。お店の角を曲がって香港路へ。
左に行列店の「海員閣」を眺めつつ、しばし歩きます。
右手奥に広東料理「保昌」の看板が見えたら左にターン!
味な看板を見つけたら到着です!
カウンター10席、4人がけのテーブル席2つだけの小さなお店。ランチタイムや週末は行列覚悟を。
刀削麺のオーダーが入ると、小麦粉の生地を包丁で削ぎ切って、湯の中にヒュンヒュン飛ばす職人技が始まります。そして供されたのは、小辛ページに載っていた看板メニューの担々麺850円(税込)。三角の独特の断面だからこその食感と、甘みのあるもちもち麺が、チョイ辛スープに絡んで絶品!

次に訪れたら、担々麺と人気を二分する牛スネ肉煮の麺にするか。はたまた混ぜ麺系の王道ジャージャー麺か、炒めたバージョン五目焼き麺か。1人でも気軽に入れるので、足繁く通いそうです。
3
その他

アートスペースソコソコ(あーとすぺーすそこそこ)

アートに朗読にお坊さんに会える!? 一期一会の貸しスペース

案内板が出てない頃には、地図を片手に正解のはずの路地を分け入っていくも、自らを疑って折り返し、また戻るという、路地裏のウロウロ迷子気分が秀逸でした。今は親切な案内板に誘われてきっとスムーズに到着できるはず。

朝陽門を入ってすぐに目に入るのが、季節のフルーツメニューもお勧め「エル喫茶」。向かいには観光案内の拠点、インフォメーション・センター「China Town80」があり、その間を走る南門シルクロードをいきましょう。
黄色のド派手な看板に誇らしげなチャンピオン写真が並ぶ「皇朝点心舗2号店」を見つけたらストップ!(ココの肉まんは、他店の中国人スタッフにも評判ですよ)。写真の建物脇の路地を、勇気を出してGO!
突き当たりに英字の看板を発見したら、その路地で正解。
取材日は「村崎百郎UMA未確認生物展」が開かれていました。
村崎百郎さんは90年代のサブカルを代表するライター。「すかしきった日本の文化を下品のドン底に叩き墜す」ことを目的に、“鬼畜系”を名乗り、独特な世界観を描いてコアなファンを鷲づかみ。今回は村上さんゆかりのアーティストたちによる未確認生物展です。入口の書は、親交があった作家・京極夏彦さんによるもの。
村崎さんの妻、漫画家の森園みるくさんによる作品。実は村崎さんは、2010年、読者を名乗る男性に刺殺されました。
美術家・立体造形作家、そして骨董商を営むマンタムさんの「人魚」。怪しくも愛らしい風貌で、妙に引きつけられます。

実はマンタムさんはキュレーターとしても活躍し、この展示も企画。ココを会場に選んだのは、立地の面白さだそう。「路地に入って、アレ違うなと戻って、いやいやココに違いないと前に進み(笑)」と、やっぱりウロウロ。「異次元に入っていくような世界観を創れると思いました」と。 10月には藝大生による作品展、11月ぐらいには戦前戦中の衛生博覧会を開催予定です。

こちらの貸しスペースでは音楽会や朗読会、お坊さんによる説法などが開かれることもあり、フラリ路地に迷い込むと、さらに未知なる世界に迷い込むという、路地裏散策の極み。例えば中華街で美味しいものをテイクアウトして女子会を開く、なんつーのもOKなんです。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。

映画鑑賞のお供に
台湾からスイカの種

今回は台湾食材が登場したので、同じく台湾でおなじみの「醤油瓜子」をご紹介。スイカの種を醤油で味付けしたもので、皆さん前歯で器用に割って殻をペッと吐き出し、中にある白いしんを食べます。映画鑑賞にはつきもので、上映が終わると足下は殻だらけとか。スイカに限らず、ヒマワリやカボチャの種などは栄養価が高く海外ではポピュラーな食べ物。サッカー選手がピッチで「ペッ」ってすることも多く、サッカー好きな少年はよく知っているようですよ。そんなエピソードも聞かせてくれる「萬福臨」で販売。

千谷'sメモ

ドキドキワクワク保証付きの”路地裏迷子”へ、いざ!

当コラムのライターさん

ライター千谷文子

ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!

見落としそうなマメ情報

横浜中華街Check Memo

夕食後にオススメ
朱色のイルミネーション

朱色の提灯が連なる幻想的な光景に立ち止まり、門扉の外からカメラを構える人も。中華街ならではのイルミネーションです。毎日、21時まで点灯されています。

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