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ウフフな、横浜中華街。
カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪
2018/06/15
ずぼら乾物レシピ9
食品の衛生面に気を遣う梅雨は、乾物が重宝します。太陽のエネルギーで殺菌されて長期保存でき、旨み・味・香り・栄養価もアップ。生椎茸と干し椎茸を比べれば、すぐに納得がいきますよね。水に浸す時間さえ確保すれば、調理も簡単。中華食材を扱うプロに聞いた、“ずぼら乾物レシピ”をご紹介しましょう。
アマにも親切、プロ御用達の中華食材専門店
1949年に創業した、中華材料を取り扱う専門店。プロから料理好きなお母さんまで、さまざまなお客さんでにぎわっています。食材を手にすると、聞くまでもなく調理法をササッと教えてくれるのも、この店の日常です。
今回は「金針菜(ゆりの花)」「春雨(細・中・太)」「干しえび」「干し貝柱」のレシピを教わりました。
【ずぼら乾物レシピ1】
食感を楽しむ『金針菜のきんぴら』
《乾物基礎知識》
金針菜…ユリ科の花を乾燥させたもの。鉄分は、ホウレン草の10倍とも20倍ともいわれる。食感を楽しむ食材で、甘辛く煮付ける料理に向いている。固結びをし、先端のガク(写真右端すぼまった方)を取ってから調理すると、食感はよりよくなる
《材料》
金針菜、ニンジン、めんつゆなど調味料
《作り方》
1)金針菜は、水がきれいになるまで洗うだけ
2)細切りにしたニンジンと一緒に油で炒め、めんつゆなどで調味
【ずぼら乾物レシピ2】
夏におすすめ『金針菜・干しエビ・干し貝柱・春雨入り冬瓜スープ』
《乾物基礎知識》
干しエビ…小エビをゆでて乾燥。アミノ酸が多く、濃い旨みがあり、薬味、和え物、炒め物など幅広く活躍
干し貝柱…ホタテ貝などの貝柱をゆでて乾燥。高タンパク質、低エネルギーでタウリンも豊富。濃い旨みがあり、そのだし汁は一度使うと手放せないものに
金針菜…ユリ科の花を乾燥させたもの。⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ1.きんぴら」
春雨…緑豆やじゃがいもなどのデンプンを水に溶いて乾燥させたもの。その姿が、春の雨をイメージすることから名付けられた
《材料》
干しエビ、干し貝柱、金針菜、春雨(細い太さ)、冬瓜、めんつゆなど調味料
《作り方》
1)干しエビ、干し貝柱を20分ほど水に浸す
2)上記具材を水ごと鍋に
3)水がきれいになるまで洗った、金針菜を入れる
4)冬瓜、春雨(細)を入れて、お好みに調味
【ずぼら乾物レシピ3】
食欲アップ『干しエビソースのブロッコリー』
《乾物基礎知識》
干しエビ…小エビをゆでて乾燥。アミノ酸が多く、濃い旨みがある⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ2.冬瓜スープ」
《材料》
干しエビ、ブロッコリー
《作り方》
1)ブロッコリーを丸ごと電子レンジで加熱
2)フライパンに油を多めにしき、干しエビを炒める
3)カットしたブロッコリーに塩をふり、干しエビ油を上からジュッ
【ずぼら乾物レシピ4】
お好みのタレで『極太春雨の前菜』
《乾物基礎知識》
春雨…緑豆やじゃがいもなどのデンプンを水に溶いて乾燥させたもの。⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ2.冬瓜スープ」
《材料》
春雨(太いタイプ)、肉味噌など
《作り方》
1)春雨を20分ほど水に浸す
2)前菜感覚で皿に盛って、肉味噌など添える
店長は“歩く食材事典” 。おしゃべりもお楽しみ♪
世界中の珍しい高級食材を集めた、貿易会社直営店。全国のラグジュアリーなホテルとの取り引きも多く、業界では知られた存在です。店の奥には、干しなまこ、干しあわびなどもズラリ。でも、一番の名物は“歩く食材事典”の店長さんかなぁ(笑)。食材にまつわるおもしろエピソードの宝庫なんです。
今回は「黒キクラゲ」「白キクラゲ」のレシピと共に、「中国には蛇の乾物店、タケノコの乾物店など特化した専門店があるんですよね〜」なんてお話しも伺いました。
【ずぼら乾物レシピ5】
まるで珊瑚♪『白キクラゲのココナッツスイーツ』
《乾物基礎知識》
白キクラゲ…クヌギに生えるキノコ。ビタミンD、鉄分、カルシウム、食物繊維などが豊富なので、お湯ではなく水で戻そう。滋養強壮、便秘、美容にも良いといわれている
《材料》
白キクラゲ、クコの実、ココナッツミルク
《作り方》
1)白キクラゲを30分ほど水に浸す
2)適当にカットし、ココナッツミルクの中へ
3)クコの実をそえる
【ずぼら乾物レシピ6】
健康食材『黒キクラゲのいろいろメニュー』
《乾物基礎知識》
黒キクラゲ(写真右)…その形が、耳に似ていることから、中国語では「木耳」と書く。クワやニレの木などに生えるキノコで、歯ごたえの良さが特徴。ビタミンD、鉄分、カルシウム、食物繊維が豊富な健康食材
《材料》
黒キクラゲ
《作り方》
1)黒キクラゲを30分ほど水に浸す
2)ラーメンに、味噌汁に、ちゃんこに、和え物に…、カットして好きに入れる
中国、韓国、インド…世界の食材スーパーマーケット
通常のスーパーマーケットでは手に入りにくい、東南アジア、韓国、インドなどの調味料も豊富で、各国のお客さんに重宝されています。特に中国の人は自分の体調に合わせて食材を選ぶそう。「お粥を作るんだけど、ダイエット中だから低カロリーのもちきびを多めに」「貧血予防にうるちあわを買っていこう」というぐあい。お客さんの要望に応えるうちに、食材がどんどん増えていきました。
今回は「蓮の実」、「棒ゆば」、「板ゆば」のレシピを教わりました。
【ずぼら乾物レシピ7】
夏バテ対策に『蓮の実&干し貝柱の炊き込みご飯』
《乾物基礎知識》
蓮の実…中国の家庭では、夏になると食卓に出てくる白い実。夏バテ対策に料理やデザートに使われる。砂糖と一緒に煮て裏ごしした蓮の実餡は、月餅でもおなじみ
干し貝柱…ホタテ貝などの貝柱をゆでて乾燥。高タンパク質、低エネルギーでタウリンも豊富。⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ2.冬瓜スープ」
《材料》
蓮の実、干し貝柱、めんつゆなど調味料
《作り方》
1)蓮の実を1時間ほど水に浸して、水は捨てる
2)20分ほど水に浸した干し貝柱を、水と一緒にジャーへ
3)米、蓮の実を入れ、適当に調味して炊く
【ずぼら乾物レシピ8】
大豆たっぷり『棒ゆばの炒め物』
《乾物基礎知識》
棒ゆば・板ゆば…ゆばを乾燥させたもので、棒状と板状がある。シコシコした弾力を楽しむなら煮る・炒める、パリパリの食感なら揚げる。調味中にポロポロ割れたゆばは、味噌汁などへ
《材料》
棒ゆば、豚肉、こんにゃく、ピーマン、めんつゆなど調味料
《作り方》
1)棒ゆばの準備は早めに。2時間ほど水に浸してカット
2)具材をフライパンで炒めて、調味する
【ずぼら乾物レシピ9】
白の清涼感『蓮の実&白キクラゲのスイーツ』
《乾物基礎知識》
蓮の実…夏バテ対策に料理やデザートに使われる。⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ7.炊き込みご飯」
白キクラゲ…クヌギに生えるキノコ。ビタミンD、鉄分、カルシウム、食物繊維などが豊富⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ5」
《材料》
蓮の実、白キクラゲ、クコの実、砂糖
《作り方》
1)蓮の実は1時間以上、水に浸す
2)蓮の実を、多めの水で白キクラゲと煮付ける
3)砂糖、クコの実を入れて冷やす
【ちょっとひと手間、乾物レシピ】
蒸してよし、揚げてよし『板ゆば包み』
《乾物基礎知識》
板ゆば…ゆばを乾燥させたもので、ここでは板状を使う。⇒詳しくは「ずぼら乾物レシピ8.棒ゆばの炒め物」
《材料》
板ゆば、鶏肉、エビ、ゴボウなど
《作り方》
1)板ゆばを20分ほど水に浸す
2)板ゆばに具材を巻いて、蒸す
3)好みによって揚げる
台湾の駅中エナジードリンク
台湾の女性たちは、出勤前に駅の売店で「BIRD’S NEST」を購入し、がーっと飲み干しパワーチャージ。つばめの巣の煮汁に、白キクラゲをミックスしたもので、まるで砂糖水のようです。130円(税込)。萬福臨にて
千谷'sメモ
プランが必要なのは、水戻しのタイミングだけ。乾物料理、簡単です!
参考文献:『栄養と旨みが凝縮した488種 増補改訂 乾物と保存食材事典』誠文堂新光社発行、『見てたのしい読んでおいしい 中国料理食材事典』日本食糧新聞社
当コラムのライターさん
ライター千谷文子
ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!