特集FEATURE
ウフフな、横浜中華街。
カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪
2015/01/30
ケチャップの原点、中華にあり!?
年明けに「カゴメ、ケチャップ25年ぶり値上げ!」のニュース。世界的にトマト相場が高騰しているのだそう。そんな話を知人としつつ話題はさらに展開。「ところでさ、春巻きをケチャップで食べる上海料理の店がいくつかあるみたい」と。中華料理に西洋の調味料!? どれどれ探ってみるとあら不思議、ケチャップの原点は……なんと中国に!?
50年前から、春巻にトマトケチャップ!
やってきたのは、創業約50年の上海料理店。早速、厨房のオーナーに春巻きに添える調味料について聞いてみました。
「私、春巻きは醤油と辛子で食べるんですが……」と切り出すと、「そういう人もいるみたいね」とニッコリ。「うちは開店当初、50年前からケチャップだよ」と! おぉ〜、やっぱりケチャップ。しかも半世紀もの歴史が☆
「上海の人は甘いのが好きだから」「おしゃれな上海らしく西洋のものを取り入れたのかも」という意見が、中華街散策で聞こえてきました。
さてそのお味。パリパリの揚げ物の『春巻』にトマトの酸味が爽やかでいい感じ。ちなみに当店人気の『炸雲呑“揚げワンタン”』は、ケチャップベースの温かい甘酢ソースが決め手です。
ケチャップは、トマトだけにあらず
「ケチャップ」といえば「トマトケチャップ」を思い浮かべますよね。でも実は魚介類や野菜、キノコ、果物などから作るソースのことを「ケチャップ」と言うんです。
そしてちょっと調べてみると、ケチャップの語源は、中国に古くからある魚醤「ケ・ツィアプ」という説に行き当たりました(広東語で茄汁/ケーチャプ、福建語で鮭汁/kechiapといわれたそう)。
ケ・ツィアプという言葉は、東西貿易によりマレー半島を経て欧州からアメリカへ。欧州ではキノコ原料のソースをcatchupといい、アメリカではトマト原料のソース、トマトケチャップが誕生。
つまりソースの種類を変えつつ、「ケチャップ」という名称が世界各地へ広まったようなのです。
さて、当店の棚にはタイの代表的な調味料・ナンプラー。ラベルをよく見ると魚露(ユィルウ)の文字が。魚露とは、今の中国語で魚醤のことを指します。「ケ・ツィアプ」と言われていた魚醤が世界旅行を始めてから時を経て、中国の魚醤はまた違うルートを開拓したようです。
魔法の数滴、魚露を最後に垂らすと…
どうやらトマトケチャップの語源となったのは中国の魚醤(魚露)らしい……ということで。魚露を使った料理を目指して当店へ。作ってもらったのは青菜の炒め物。「調理の最後に魚露をちょっと垂らすとうま味とコクが加わるんです」と店長が言うように、香りがよくとっても美味しい♪
そして福建省出身の常連さんが裏メニューで注文するのが、紹興酒の酒粕から作られた調味料を使う料理だとか。一見さんでも大丈夫、注文の際に相談してみて。また違うルートの、奥深き中国調味料の旅が始まるかもしれません。
国産トマトケチャップ第1号は横浜から!?
日本におけるトマト栽培の発祥は子安村(横浜市神奈川区東部)といわれ、明治29年には国産トマトケチャップ第1号が横浜で誕生したそう。当時のレシピから再現した『復刻版 清水屋ケチャップ』は、横濱屋本舗より発売中
千谷'sメモ
世界一周旅行に時間旅行もしちゃったような、壮大な“ケチャップ探訪”でした!
当コラムのライターさん
ライター千谷文子
ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!
横浜中華街Check Memo
元パリコレモデル発ときめくパンダ柄
パフスリーブのコットンブラウスに、パンダ61匹の刺繍。あまりにかわいくて、衝動買い。デザインしたのは元パリコレモデルの早薗マキさんです。当日記の衣裳にしましょう♪
- 発見日2014/12/14
- 場所横浜中華街関帝廟近く「ROUROU」