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ウフフな、横浜中華街。
カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪
2015/10/30
月の満ち欠けで判る 上海蟹・食べ頃カレンダー
「上海蟹の季節到来!」というキャッチフレーズにそそられるものの、実は食べたことがないという人、多いのではないでしょうか。私も、今回が初体験! 訪れたのは、33年にわたり上海蟹の料理を極めた「六鳳居」です。通説を覆す、興味深い話もいろいろ。
極意一、旧暦を読まずして“食べ頃”は語れない
上海蟹を扱う期間は、お店によってまちまちだけれど、あちらこちらで“上海蟹フェア”が開かれるのは9月〜11月。「でもね」と切り出したご主人。「上海蟹は月の満ち欠けに応じて、生息しているんです。産卵に入る、旧暦の正月までがシーズン。今シーズンは2月の上旬ぐらいだね」と。
今、私たちが使っているカレンダーは新暦。地球が太陽の周りを1周する時間を、1年と定めたものです。旧暦は月の満ち欠けで日付をカウントし、新月になる日を月の始まりに。そのため毎年、新暦と旧暦の日にちは異なります。昨シーズンの旧暦の正月は新暦の2月19日、今シーズンは新暦の2月8日、というぐあい。つまり上海蟹のシーズンは毎年異なるんですって!
極意二、1シーズン3回食して味わい尽くす
当店の上海蟹は、新暦・9月に入荷が始まります。10月までのシーズン前半、その体にはミソがほとんど。シーズン中程、新暦・11月〜12月になると、メスはミソと卵が半々、おすはミソと白子が半々に。シーズン後半もお楽しみ! 新暦1月〜旧暦正月までは、卵と白子が8割になります。
つまり、1シーズン3回食べ尽くして、上海蟹の全てを味わえるというわけ。
極意三、ほじるはNO!チュ〜チュ〜吸えば甘〜い至福♡
上海蟹といえば「蒸し蟹」料理が代表的だけれど、当店を訪れたら一番に「酔っぱらい蟹」を注文しましょう(お酒が好きならなおのこと)。生きたままの上海蟹を、老酒など数種の中国酒に4週間も漬け込んで、酔っ払わせたもの。蟹は体を冷やすといわれるため、体を温める漢方薬も入っています。経験がものをいう料理のため、横浜中華街でも扱っている店は数えるほど。
運ばれてきた「酔っぱらい蟹」はいい香り。まるでウニのようなミソをいただいたら、あとはかぶりついて、チュ〜チュ〜吸うのが流儀。というか、吸わずにはいられない美味しさ。細い脚先からピュッと口に入る身は、甘くてたまらんのです。
中国茶のフィンガーボウルでスッキリ!
かぶりついて吸い付く上海蟹を堪能すると、手がベトベト…。出されたのはちょっと温かい、中国茶のフィンガーボウルでした。指先を入れればすぐにスッキリきれい。自宅で蟹を食べる時などにも、いいかもね。
千谷'sメモ
チュ〜チュ〜夢中になる顔は、恋人の前では、ちょっとね…。家族や親友と思う存分喰らいましょう!
当コラムのライターさん
ライター千谷文子
ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!
横浜中華街Check Memo
おぉ名店よ、今シーズン限り(>_<)
取材を終えるとご主人が「実は当店は今シーズン限りなんです」とポツリ。「エェェー、もったいない」と思わず言ってしまいました。33年でテナント契約が切れるのを機に、少し休んでから上海蟹専門店をオープンする予定だとか。上海蟹だけでこんなメニューがある当店で食べられるのは、今シーズン最後なので、ぜひ足を運んでくださいね。
- 発見日2015/10/16
- 場所「六鳳居(ろくほうきょ)