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ウフフな、横浜中華街。
カップルに、家族連れ、女子会グループや、おじさん集団も! まるで横浜中華街に吸い寄せられたかのようにやってきて、ウロウロ、キョロキョロ。そうそう、なんかここには、なんかある気がするのです。ライター・千谷文子もいろいろ発見してきました♪
2016/03/31
夜はこれから。酒と煙草と女とともに──。
夕食に中華を頬張り、お酒に親しみ、そろそろ席を立つ頃合いかという時に…。「いやいや、あと少し、なんだか名残惜しい」と思うこと、ありますよね。実は、横浜中華街は日本におけるバー発祥の地。食事処よりバーが多い時代もあったようで、今も深夜営業の趣深いお店が充実しています。そこには“女性”の姿も…。お土産探しに最適な、老舗の酒屋さんもご紹介しましょう。
ジャズの生演奏をBGMに♪
中華街東門のすぐ近く。日が暮れてネオンが灯ると、存在感を放つバーがあります。毎日違うミュージシャンが、ジャズの生演奏をお届けするミュージックバーです。
“自らの罪”をカウントしつつ飲む!?
馴染みがない人にとって、バーは敷居が高く感じることも。しかもジャズに親しみがなければなおのこと。けれど当店は、自家製生地のピザや、ほうれん草のグリーンライス付きビーフステーキなど食事も充実しているため、会社帰りのサラリーマン、観光客のグループ、夫婦やカップルが1軒目から気軽に立ち寄ることも多いようです。
しかも。屋号の由来を聞けばグッと親近感が湧くでしょう。話は聖書の一節から。弟子のペトロがイエスキリストに「同胞が罪を犯したとき、何回赦(ゆる)すべきか、七回までか」と寛容な心で問うたところ、イエスは「七回どころか、七の七十倍までも赦しなさい」と返したそう。「7回×70倍=490回までだぞ」ではなく、より寛容に赦しなさいという意味のようだが、いやいや当店の度量もハンパナイ。「491回以上の罪深き人もウエルカムなんです」。だから『491HOUSE』。
ノルウェーの船乗りが始めた“船員バー”
かつて横浜中華街のバーには、荷物の積み降ろしのために長期に渡り滞在していた各国の船員たちが集いました。そのうちの1人、ノルウェーの船乗りが日本人女性と結婚し、44年前に開いたのがこちら。屋号の『ノルゲ』は、ノルウェー語でノルウェーのことを意味します。
中華料理の後にサッパリ、旬のフルーツカクテル
メニューボードには季節のフルーツが書かれていました。訪れた3月中旬は、イチゴ、デコポン、日向夏、金柑、リンゴなど。「中華料理を召し上がった後に、美味しく味わっていただけるフルーツカクテルをご用意しています」とオーナー。「四川料理店に行きました? お肉料理でしたか? 果物は何がお好き?」とバーテンダーの質問からオリジナルカクテルが誕生することも。
酒に煙草、隣り合わせた女性との会話も癒やし
週に1〜2回、多いときは週4回もバーに立ち寄るという紳士に出会いました。「自分を癒やしたくて来るんですよ」とその男性。部下たちと連れ立つこともあれば、一人でこの雰囲気に浸り、隣り合わせた女性と会話を弾ませることも。「酒に煙草、そして話し相手をしてくれる女性までいる時は、極上の癒やしの場。名前も聞かず、ほろ酔いで気分よく帰るんですけどね」とほほ笑んで……カッコイイー☆
たたずまいの美しいママがいます
「皆さんとはおしゃべりをして、話を聞いたり、返事をしたり」とゆっくり語るのは、たたずまいの美しいママ。この地に35年前、スナックを開店し、今は日替わりで出勤してくる女性ふたりと3人で客人をもてなしています。
明瞭会計で、安心して飲んで歌って♪
「まず座ると3000円。ドリンク1杯とおつまみね。追加1杯は500円〜」と、明瞭会計。スーパーニッカのボトルキープは7000円、焼酎は3000円〜。カラオケは1曲200円。人数により1人ドリンク付3000円〜2階にて団体の利用もOK(15〜16名まで)。安心して飲めるお店です。
120年の老舗に、120種の中国酒
バーやスナックに行く前に立ち寄りたい、明治時代から続く老舗の酒屋。中国酒を120種も取りそろえ、横浜中華街のお土産探しに最適です。「蒸留酒はウォッカのように強いから、中国酒なら紹興酒がオススメ」と4代目。一般的には年数が長いほど口当たりがキレイと言われているけれど、好みは人それぞれ。「3年ものと10年ものを買って飲み比べるのも楽しいですよ」。
女性杜氏の日本酒もナビゲート
店内の奥には日本酒専用冷蔵庫があり、毎日、全国の蔵元から入荷してきます。「お酒の発祥はどうやらトルコ辺りらしい。そこから西と東に分かれてね、西は果実を、東はほぼ穀物を原料にしているんだよね。昔、日本では税金を米で納めていたでしょ。お金をお酒にするなんて国は他にはないんだよ」と、日本酒への愛情もたっぷり。今回の企画に合わせ、女性杜氏の酒蔵も紹介してくれました。
毎年売り切れ、酒屋さんのカレンダー
学生時代から『一石屋酒店』に足繁く通っていたというご夫妻が、小さな出版社を立ち上げたそう。そこにオーダーしているオリジナルカレンダーは、毎年12月に店頭に並ぶと、すぐに売れ切れに。季節のおつまみ解説が、酒好きにはグッときます。
千谷'sメモ
夜の横浜中華街で、飲む人はお酒に、飲まない人はムードに酔いしれて♪
当コラムのライターさん
ライター千谷文子
ちだにあやこ/夫が横浜出身というだけで白羽の矢が。40代後半戦、ワクワク探しの好奇心は衰えず。愛犬との散歩で鍛えた健脚で、横浜中華街を歩き倒します!
横浜中華街Check Memo
1曲100円でム?ディ♪
レコード盤ジュークボックス
“船員バー”の店舗の最奥に、100円を投入するとレコード盤が動き出すジュークボックスを発見! 好きな曲をBGMにバーで過ごすなんて、なんと贅沢な時間でしょう。レトロな曲目カードを見ているだけでもワクワクします。
- 発見日2016/03/17
- 場所「BAR NORGE」