東アジア最大の中華街、横浜中華街は食はもちろん、カルチャー、人、色んな楽しみのある街。また、中華街は、朝・昼・夜を通して、様々な雰囲気を醸し出す街でもあります!そんな中華街を1日中、好奇心の赴くまま、中華街の住人となったMAYAが街に繰り出し、人々とのゆる〜い交流を通じ、日々街の面白ネタを発掘。地元ならではの楽しみ方を追求しながら、観光でも普段使いでも、ときめき溢れる中華街の魅力に迫ります。

第5回2019. 12/02(星期一)

2019年の締めは中華な鍋と美味いお酒で決まり!

寒さも日に日に増し、温かい食べ物が恋しい季節。家族や友人と集まる機会が多いこの時期に食べたくなるのが鍋料理。日本の鍋も大好きですが、この冬は中華街ならではの鍋料理を堪能したいと思います。みんなでワイワイ鍋を囲みながら、美味しいお酒を片手に中華街で忘年会もいいですね♪今回は年の瀬気分を盛り上げてくれる紅白2種類の鍋を頂きます。旨辛麻辣湯の”紅”&鶏だしスープ寄せ鍋の”白”鍋にピッタリのお酒も中国酒熟練士にセレクトしてもらい、一年の締めくくりを美味しく飾ります。

本格四川料理と広東料理 『龍華楼(りゅうかろう)

11:00

まずは、”紅”の鍋からいってみましょう!四川料理が自慢の『龍華楼』の人気隠れメニューの麻辣湯(マーラータン)。花椒の香りが鼻を突き抜け、真っ赤なスープが食欲を掻き立てます。

四川省発祥の麻辣湯は唐辛子や花椒などの香辛料と、野菜や肉などを煮込んだ、汗が噴き出るほど激辛なスープ料理です。たっぷりの香辛料が効いた痺れるスープは、身体を芯から温めてくれるので、寒い冬に是非味わいたい一品です。(※メニュー表に麻辣湯は載っていません。お店の外で見つけることができる隠れメニュー的な存在です。)

『龍華楼』のスープはただ辛いだけのスープではなく、辛さの中にもコクがあり、まさに旨辛。食べる度に口の中に広がる花椒のビリビリ感もたまりません。海老や野菜、肉団子に太目の春雨などの具がたっぷり入っています。

汗が出るほど辛いのにやめられない!まさに”やみつき”になる麻辣湯。食べ終わった後には、胃の中から熱さを感じるほど体中が燃えていて、指先までポカポカに。オーナーの鄒 美恵(ぞう みえ)さんおすすめの麻辣湯に合うお酒は、啤酒(ビール)。「辛いお鍋にキンキンに冷えた啤酒は最高だよ」と笑顔で語ってくれました。

龍華楼

鄒美恵(ぞうみえ)さん

麻辣湯

台湾料理と薬膳料理が同時に賞味できるお店『青葉(あおば)

14:00

続きまして”白”の鍋を、薬膳料理が評判の『青葉』で味わいます。オーナーの楊綉儀(ようしゅうい)さんは、お爺様が中医師だったこともあり、幼い頃から薬膳に親しんでいたそうです。初心者でも食べやすい味付けの薬膳料理を提供しているのは、多くの人が、健康で幸せな生活を送れるように、という綉儀さんの願いからだそうです。

本日は”白”の王道、什錦砂鍋(シーチンシャーグオ)を頂きます。五目を意味する什錦、土鍋を意味する砂鍋。焼いた鶏を煮込んでとったスープに、たっぷりの具を入れて味わう中華風寄せ鍋です。小柱のエキスが効いており、自宅では決して真似できない、コクのある塩味がクセになります。

什錦砂鍋2,200円(税抜)
『青葉』の特徴は、薬膳のトッピングを追加注文できること。眼精疲労気味の私は、クコの実をチョイスしました。体調に応じてトッピングを選ぶのも楽しみの一つです。最初はストレートの塩味を頂き、途中、豆板醤や沙茶醬(サーチャージャン)に具をディップして味を変えると、一度で三度美味しい砂鍋に♪

綉儀さんおすすめの、砂鍋に合うお酒は紹興酒。血行を促進し疲労回復効果も期待できて、薬膳鍋との相性が抜群!とのこと。

青葉

楊綉儀(ようしゅうい)さん

什錦砂鍋

中国酒はおまかせ下さい『安田屋酒店(やすだやさけてん)

16:00

紅白それぞれの鍋を堪能したところで、中華な鍋に合うおすすめのお酒を、プロにも選んでもらいたい!ということで、中華街で3代続く老舗酒店『安田屋酒店』へ。オーナーの安田利幸(やすだとしゆき)さんと淑美(すんみ)さんご夫妻は、中国酒熟練士の資格保持者だけあって、中国酒の品揃えは圧巻です。

店頭から、お酒の種類の多さに驚きました!お土産に人気の紹興酒はもちろん、珍しい日本酒やワインまで、豊富なラインナップ。お酒好きの私には、たまらない夢のような空間です。早速、鍋によく合うおすすめの中国酒を、紹介して頂きます。

おすすめ其の一 『黒谷有机干紅』1,813円(税込)※写真一番左。 西安の南、洋県の黒米ワイン。タンニンを感じ、味の濃い“紅”の鍋によく合います。肉料理やパスタにも〇

其の二 『金朱鷺 黒米』2,343円(税込)※写真左から二番目。 味は紹興酒寄りで、甘味があってスモーキ。辛い食べ物と相性抜群。”紅”にどうぞ。

其の三 台湾白酒『金門高酒』1,300円(税込)※写真左から三番目。 独特の強い香りが、辛い料理とマッチ。“紅”の鍋と合わせれば、お酒がどんどん進む。飲み過ぎにご注意。

其の四 『丽子佳人 桑果酒 ・百香果酒・荔枝酒』それぞれ1,518円(税込)※写真左から四番~六番目。 白ワインと同じ醸造方法で造られており、果実の香りと味わいが、“白”の塩味を引き立てます。

番外編 『百吉納』4,054円(税込)※写真左から七番目。 ⽜乳の⾹りの後味がする、チーズやクリーム系の洋⾵お鍋と相性が良い、日本では珍しい『モンゴル』の酒です。

安田ご夫妻による”中国酒講座”拝聴後、お気に入りのお酒を持って記念撮影♪安田さんご夫妻のイチ押しは、『金朱鷺 黒米』2,343円(税込) ネット販売のみだったこのお酒を、業者と交渉し取扱させてもらった渾身の一本。店頭取扱は『安田屋酒店』のみ。私も早速購入しました♪中華街のお土産に是非どうぞ。

安田屋酒店

安田さんご夫妻

ご夫妻おすすめの中国酒

当コラムのライターさん

MAYA

才能コーディネーター&中華街探検家。
中国の伝統楽器、古筝を弾く縁もあって、この街に誘われた住人。中華街を拠点に活躍するアーティストなど、多国籍の芸術家のマネージメントにも携わっている。毎日探検しても、知りたいことがまだまだたくさん。『住んで楽しい、来て楽しい』この街の魅力をお届けしたいから、今日も縦横無尽に街を駆け抜けます!

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