観光ガイドGUIDE
牌楼(門)について
横浜中華街には現在、10基の牌楼(門)が建っています。大通りにある善隣門は、テレビや雑誌などでよく見かけると思いますが、その他に9基もあり、中でも東南西北の4基には深い意味があります。
東南西北の守護神4基
横浜中華街が横浜新田と呼ばれた時代
中国では古来より、皇帝が王城を築くとき、天文博士に天意をうかがわせ、城内に入ってくる邪を見張り、これを見破るために東南西北に限って通路を開いて、それぞれに門衛を置いたといいます。それらは「春夏秋冬」「朝昼暮夜」という陰陽五行に基づく色である「青赤白黒」で彩られ、さらに各方位の守護神として人々に根強く信仰された四神を据えました。
その守護神は東=青竜神、南=朱雀神、西=白虎神、北=玄武神。いつの季節も24時間、それぞれの守護神が邪を見張ることによって、城内の繁栄と安全をはかったのです。ようするに、東方の霊気は青竜神が見張り、陽気が南方に入ると朱雀神に引き継いで、さらに西方に移ると白虎神が受け、やがて陰気が満ちる夜となると北方を玄武神が守るということなのです。
横浜中華街も同じなのです。ただ、本当に東南西北の位置に建ってるの?と疑う人もいるかもしれません。実は、横浜中華街は周辺の道路に対して、どういうわけか45度傾いていて、ほぼ東南西北に角があるのです。みなさんが道に迷ったり方角がわからなくなるのはこの45度のせいだと思います。
東
朝陽門(チョウヨウモン)
日の出を迎える門。朝日が街全体を覆い繁栄をもたらす。守護神は青龍神。色は青。 ※山下公園側にあります。2003年2月1日に立派な牌楼が落成し、高さ13.5メートル、幅12メートルで中華街で最大の門となりました。みなとみらい線が開通(2004年2月)し、元町・中華街駅からは、この牌楼を通って中華街へ入ることになります。
南
朱雀門(スザクモン)
厄災をはらい、大いなる福を招く。守護神は朱雀神。色は赤。※元町側にあります。元町と中華街の行き来はここが便利。
西
延平門(エンペイモン)
平和と平安のやすらぎが末永く続くことを願う。守護神は白虎神。色は白。※JR石川町駅から来ると2つ目の門になります。
北
玄武門(ゲンブモン)
子孫の繁栄をもたらす。守護神は玄武神。色は黒。※横浜スタジアムへの行き来はここからがグッド。
風水に基づく牌楼
横浜中華街の牌楼は、なぜ東・南・西・北(東西南北ではないことを頭においておきましょう)にあってそれぞれ色が違うのか不思議に思う人も多いでしょう。それは風水思想に基づいて建てられているからです。風水思想とは中国の古代科学によるもので、ひとことで言うなら、人間が幸せを確保しようとするなら、天地=自然の影響と調和していかなければならないという考え方です。
その他の主な牌楼(門)
善隣門
(ゼンリンモン)
横浜中華街のシンボル的存在のひとつ。1955年2月、戦後復興の願いを込めて初代が完成し、そのころは「牌楼門」と呼ばれていました。この牌楼が建つまでは「南京町」と呼ばれていましたが、中央の銘板に隣国や隣家と仲良くするという「親仁善隣」という言葉を掲げ、「中華街」と書かれたことによって、正式名称として「中華街」と呼ばれるようになりました。現在の姿にリニューアルしたのは1989年、名称も「善隣門」に改められました。
西陽門
(セイヨウモン)
この牌樓は白虎神を祭った中華街延平門より更に西端に位置しており、まさに西の太陽に一番近いところから「西陽門」と名付けられました。※JR石川町駅から来ると、まずここをくぐります。
天長門・地久門
(テンチョウモン・チキュウモン)
商売の神様「横浜中華街關帝廟」がある通りを象徴する門です。東側が「天長門」 西側が「地久門」です。
市場通り門(2基)
(イチバドオリモン)
昔から市場通りは “中華街の市場”として大通りと並び、中華街のにぎやかさを象徴した門です。